囲碁の本のおすすめを紹介します。
今まで50冊以上は読んできましたが、本を選ぶ上で大切なことがたったひとつだけあります。
それは、自分の強さに合った本を読むということです。
どんなに素晴らしい本でも、10級程度の人が五段向けの詰碁を読んでもまったく強くなれません。
ですので、おすすめの囲碁の本をそれぞれの棋力に分けて紹介します。
入門者から有段者向けまで書いているのでさくっと自分の棋力から探したい方は、自分の棋力をクリックorタップしてください。
以下の目次をクリックするとすぐに飛びますよ。
目次
①囲碁を始めたい、入門者におすすめの3冊
- そもそもルールすらわからない
- ルールしかわからない
っていうレベルの人向けです。
1.よくわかる・すぐ打てる みんなの囲碁入門
大きくてカラーでわかりやすいですね。
子供や女性に特におすすめで、囲碁入門の本として十分な内容です。
定価は高いので中古で十分ですよ。
2.ヒカルの囲碁入門
ヒカルの碁を読んで囲碁を始めたい人向けです。
なぜなら、本にヒカルや佐為、塔矢アキラが出てきて説明しているからです。
やはり知っているキャラクターが出てくると理解力が上がりますし、楽しいですよね!
ヒカルの碁で囲碁に興味を持った方におすすめです。
3.はじめての囲碁入門-すぐ打てる! 一人で上達できる!
依田先生の囲碁入門の本です。
さすが依田先生と思ったのは第1章で囲碁のマナーについて明確に書かれていることです。
本当に囲碁を知らない人でも囲碁がわかるようになるし、わかりやすい。
そんな内容なので、Amazonのレビューでも非常に高い評価を受けています。
男性なら依田先生の本をおすすめします。
②10級前後の級位者におすすめの3冊
- ルールもわかって終局まで打てるよ。
- だけどまだまだ基本ができていないよ。
っていう級位者向けの本です。
1.やさしい囲碁トレーニング 詰碁の基本-上達が実感できる厳選137問達できる!
高尾先生の書籍です。
シンプルな設定の上に文字や画像が大きく非常にわかりやすい。
「やさしい問題を繰り返し解くことが上達の近道」という言葉に嘘偽りない素晴らしい内容。
高尾先生のこのシリーズ本そのものに非常におすすめできます。
これも新品だと高いので中古で十分ですよー。
2.やさしい囲碁トレーニング 手筋の基本
同じシリーズの手筋の本です。
こちらも基本的名手筋を習得できる良い内容です。
3.ひと目の詰碁―やさしい問題を反復練習
「やさしい詰後を繰り返しとくのが上達の秘訣」
そんな治勲先生が出したひと目の詰碁。
簡単な問題が多いので、テンポ良く進め、詰碁に苦手意識を覚える初心者でも挫折しにくい素晴らしい内容です。
期待を裏切らない治勲先生の人気の名著です。
③初段前後におすすめの3冊
- 「初段まであと少し!」
- 「なんとか初段になったよ~」
っていう3級~二段ぐらいの方におすすめの本です。
1.石の形 集中講義 完全版 ~楽に身につくプロの感覚~ (囲碁人ブックス)
有名ですが、基本が身に付く名著です!
タイトルの通り石のカタチについてわかりやすく書いてあります。
一応は級位者向けですが、初二段でも紹介されているダメな愚形を打つ人はいるため、有段者でもためになるでしょう。
石の形に敏感になります。
初段ぐらいまでの人になら一番お薦めしたい本!
三村先生がなんとも素晴らしい本を作ってくださいました。
脱帽のわかりやすさです。
多くの人に勧められる大人気の書籍です。
2.苑田勇一流基本戦略 (NHK囲碁シリーズ)
戦略の基本はこれ1冊で十分!
『生きている石の近くは小さい』
『美人は追わず』
『地を囲うと相手の地が増える』
シンプルでわかりやすい説明で、かつ大切な基本戦略や石の方向をこれ1冊で身につけることができます。
当時初段ぐらいに読みましたが、目から鱗だった衝撃を今でも覚えています。
価値の大きさについて簡単に理解できるようになる素晴らしい名著。
3.最強の詰碁 初段・二段・三段―三手の詰碁から古典詰碁まで
基本的な詰碁から三段クラスまで。
基本的なヨミの力を付けるには非常に最適。
特別感はないですが、まったく不満のない内容です。
実際に私が12歳のときに繰り返しヨミの力をつけた思い出の本。
④二~五段におすすめの3冊
- 初段以上の棋力は間違いなくある。
- 五段になりたい!(野狐レベル)
という方向けです。
1.素人と玄人―徹底分析、これだけ違う両者の視点 (日本棋院アーカイブ 3)
『素人と玄人』は昭和45年に発行され、棋書ベストセラーに輝いた伝説の書。
影山利郎七段は「最もアマの気持ちが分かるプロ」と評判の棋士だった。
1章~11章まであり、影山七段の想いがこもった文章が語りかけられているようで非常に良い。
囲碁の精神的な部分の話があり、それから囲碁の基本的かつ重要な部分をわかりやすく詳細に解説していく。
とにかく「基本がとても大事である。」ということをこの1冊使って詳細に説明してくれていて、読んだ後はその感情に支配されるほどである。
読み物としても大変面白いベストセラーに輝いたのにふさわしい1冊。
2.こだわり講座〈5〉基本死活 虎の巻 (囲碁文庫)
徹底した基本詰め碁。
「一合マス」が徹底解説されてあるので、五段クラスでも文句なしに勉強になる。
棋力は三段以上向けの内容。
高段目指すなら徹底してやって損なし!
3.六段合格の手筋150題 (囲碁文庫)
シンプルに素晴らしい手筋が150題も詰まって定価740円!!
こんな手筋を実践で打てたらたまらないだろう。
素晴らしい!
⑤番外編~プロ棋士のエッセイ本をご紹介
プロの囲碁帰し立ちの自叙伝などです。
どれも素晴らしい内容です。
武宮正樹先生
下記で紹介。
趙治勲先生
治勲先生の囲碁に対する囲碁人生、思い、考え、他のプロ棋士への気持ちなどとても正直に書かれています。
技術的なことは書かれていませんが、囲碁に対する考え方、治勲先生の考えを知ることができ、素晴らしい名著です。
これも新品が高いので中古で十分ですー。
依田紀基九段
依田九段の自叙伝です。
「ここまで書いていいのか?」と思うほど赤裸々な内容です。
人は自分の弱い部分はさらけ出したくないものですが、本当に正直に書いているのが伝わってきます。
私が一生手元に置いておきたい3冊(超個人的)
※あくまで私個人の評価です。
1.武宮の白番―バランス感覚を磨き、柔軟な発想をはぐくむ (上級を目指す)
黒番の武宮先生を知らない人はいないと思うが、
白番の武宮先生の碁は、実にカタチが綺麗で美しい。
本人は『自然流』であると言っている。
それでいて全く焦らず、常識を覆す発想力があり、柔軟である。
この1冊で私は武宮先生に魅了されました。
この本なくして、今の私の白番は存在していません。
その美しい棋譜を、本人解説で十分堪能できる1冊。
感動する。素晴らしい!!殿堂入り!!
ちなみに、私は好きすぎて2冊持っています。
白番は、相手の動きをよく見ることから始まります。自分は不自然な手を打たず、相手の不自然な手はすかさずその歪みを拡大する。それがいつでも正しく行えるとはかぎりませんが、少なくともそうした意識を持つだけでも、自分の碁が変わっていくことを感じるでしょう。
— 武宮正樹先生の名言をつぶやくbot (@take3miya) 2017年11月28日
2.武宮正樹のふと気がつけば大宇宙―自然流の生き方に学ぶ
1987年出版。
武宮先生の思っていることが、ストレートかつ過激発言ばかりで書籍化されている。
読んでいてまったく退屈しないし、ここまでストレートに自分の気持ちを活字にした本はないのではないか?
本音で書いているからこそ、読み手にもそれが伝わり、めちゃくちゃ面白い! 読んでて何回も笑ってしまうほどである!w
囲碁の技術的なことは一切書かれていない。
代わりに囲碁の精神的なことや本質的なことに関しては、かなり深く掘り下げて書かれていてかなりためになるし、めちゃくちゃ奥が深い!
『碁は勝とうと思って勝てるものではなく、勝つ要素はもっとべつのところにある』などと言っている。
また、当時タイトル戦などで闘っていた、趙 治勲、林海峰、小林光一、藤沢秀行についてもストレートかつ過激な発言の連発で実に面白い。
武宮先生のエッセイ的な書籍はほかにもあるが、これが一番密度が濃く、これ1冊だけで武宮先生名言集が作れるほどの1冊である。
殿堂入り!!
ちなみに、私は好きすぎて3冊持っています。
3.発想をかえる囲碁とっておき上達法
94年初刷。amazonで400円で購入した。
どんな本にも書かれていない囲碁を上達する上で、本当に大切なことが書いてある。
ラスト12ページのエピローグが殿堂入りを決定づけた。
エピローグだけでも20回は読んだ。碁で挫折した時はいつもこのエピローグを読んで元気をもらう。
碁を打つすべての人に読んでほしい。
感動する。
殿堂入り!!
ちなみに、私は好きすぎて2冊持っています。
特徴別でわかるおすすめ本
特徴別でわかる囲碁本10冊を紹介します。
布石が苦手な人に最強の名著はこれだ!(初段以上推奨)
布石についてあの石田芳夫九段こと二十四世本因坊秀芳が解説でおなじみのわかりやすさと辛口で、アマ三~七段の実践対局の布石をぶったぎっていきます!
書籍の中でも石田先生は健在で、辛口です。
しかし、非常にわかりやすい!
布石が強くなります。
布石が弱い人には一番お勧めしたい本!
ちなみに、私は好きすぎて2冊持っています。
大ゲイマガカリと二間高ガカリについて知りたいなら
当時の自分のへなちょこ布石を劇的に変えてくれた本。
大ゲイマガカリも二間高ガカリも非常に有力な打ち方であることが実感できる1冊。
級位者~初段程度の棋力ですと、小目への一間高ガカリや小ゲイマガカリは複雑な定石が多く、間違えてしまう方も多いのではないでしょうか?
しかし、大ゲイマガカリや二間高ガカリは簡明形が多いので、間違うことが非常に少なくなります。
さすが呉清源先生と思わせてくれる1冊です。
宇宙流 三連星を打つなら
三連星を打つなら必読の1冊。
黒番宇宙流の武宮先生の考え方が凝縮して詰まっている。
布石終了までの棋譜を50局ほど掲載し、打ち方を解説してくれている。
非常に分かりやすく、三連星愛用者は読んで後悔しないでしょう。
白番の自然流-武宮先生に魅了されるなら
あの武宮先生がアマ強豪を相手に(アマ七段以上)置き碁での対局。
しかし置き碁でも武宮先生は健在で、アマ七・八段相手に3子置かせても、中央に白地ができてしまいます。
そんな対局の棋譜を16局ほど堪能できる1冊です。
趙 治勲先生の考え方を知りたいなら
『地を取って完全に生きた石は強い。
強い石になれば、厚く、展開次第では攻めが可能になる』
という治勲先生流がいかに有効な打ち方であるかが書いてある。
治勲先生の打ち方が実に理にかなっているのを理解することができた。
戦わずして勝つ!?羽根九段の戦法を知りたいなら
闘わずして勝つ方法について書いてあります。
具体的には・・・
『いかに乱戦を避けて、地合いをリードしたまま
穏やかに終局を迎えるためにはどうしたら良いのか』という内容です。
こんなことを書いてあるのは、この本ぐらいで、実に面白い。
「世界一厚い碁」の今村九段が語る
「世界一厚い碁」と言われる今村九段。
過去にNHK杯でも準優勝など大きな成績を残していますよね。
私が囲碁漬けのときにNHK杯で大活躍してたので今村九段の厚さには何度も驚かされています。
そんな今村九段が厚い手とは何なのか?を場面ごとに説明しています。
厚い碁で勝ちたい方は、必読の一冊です。
厚みを生かして打ちたいなら
厚みの働かせ方・厚みをいかに利益にするかが書いてある。
この本で、厚みが将来利益に繋がる事を強く信じられるようになった。
さすが三村先生、わかりやすくて良い本である。
唯一無二の初手天元・5の五の布石の解説本
唯一無二の初手天元・5の五の布石の考え方や山下の実践棋譜を説明した1冊。
打ちたい方は必読の書。
アルファ碁の戦法を知りたいなら
星にいきなり三々に入る手法がアルファ碁の影響で、近年では主流になっています。
実利を奪うのではなく、三々に入ることで根拠を奪って責めるという超攻撃的な手法。
その解説本。
内容は正直難しいので、有段者以上におすすめです。
県代表クラス(七段以上)を目指すなら
韓国棋院発行元。
複雑な詰め碁が満載で、ヨム力をつけたい高段者向け!
本当に難しい内容で、ガチの人向け!
まとめ
まずは、自分のチカラに合った囲碁の本を読むことが大切です。
どんなに素晴らしい名書でも、有段者向けの内容を20級の人が読んでも無意味です。
級位者の方は、基本的な詰碁と手筋の本をときまくり、強くなりましょう。
強くなればさらに囲碁の奥深さと面白さがわかるようになるのですから。
初段になるまでは、高段向けの書籍でなく、基本的な優しい詰碁や手筋の本をやりまくるのが一番効率的です。
武宮先生、治勲先生、依田先生の自叙伝のような本は奥深く、何度も読み直してしまうほどの奥深い内容です。
この3棋士の先生方が好きな方はもちろん、読めば好きになるほど魅力的な内容です。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
コメントを残す